柳川迅
同僚の女性警察官にキスをしたとして強制わいせつの罪に問われた元福井県警警部補若松隆男被告(61)=同県敦賀市=の判決公判が17日、福井地裁であった。河村宜信裁判官は懲役1年2カ月執行猶予3年(求刑懲役1年2カ月)を言い渡した。
判決によると、若松被告は2020年10月23日夜、敦賀市内の飲食店で女性警察官のあごをつかんで唇にキスをするなどわいせつな行為をした。河村裁判官は「被害者が警察内で勤続年数的にも階級的にも下位で、弱い立場にいることを背景にしており、やり口は卑劣だ」と指摘。一方で「事実を認め被害を弁償している」と執行猶予の理由を述べた。
若松被告は当時、県内の警察署で刑事課の係長として勤務し、犯罪の捜査に従事する立場だった。被害者は交番勤務で、飲食店では他県警へ派遣される警察官の激励会が開かれていたという。
判決後、河村裁判官は「警察の捜査に協力したくない人が出て捜査に難渋する警察官がいたらそれはあなたのせいだ。警察官が犯罪に手を染めることがどういうことか考えて生活していってもらいたい」などと説諭した。(柳川迅)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル